木々の緑 木は迷わず悩まない。ニル・アドミラリ(無表情・無関心)とラテン語で言うほど冷たく覚めているのではなく、葉を茂らせ、陽光を浴びて喜びながら、嵐にも平然と耐える。しなやかに受け流す。葉の間、小枝の間を嵐が抜けるにまかせる。木はそういう調和的な生きかたの師匠である。(池澤 夏樹)
木は迷わず悩まない。ニル・アドミラリ(無表情・無関心)とラテン語で言うほど冷たく覚めているのではなく、葉を茂らせ、陽光を浴びて喜びながら、嵐にも平然と耐える。しなやかに受け流す。葉の間、小枝の間を嵐が抜けるにまかせる。木はそういう調和的な生きかたの師匠である。(池澤 夏樹)